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2005/06/21 (Tue) 15:13

耳に痛いほど夏の足音が聞こえる。

しかしここ数週間、私は近所をぶらぶらしてるだけの毎日なので
知らないうちにぽっこり下腹が出てきてしまっており、本当にピンチである。
煙草でも吸おうかと思うが買う金がないし、
運動して汗でも流せば少しは痩せるかと思うが洗濯代とシャワー代がもったいない。
やむなく、不自然にならない程度に身体を動かせるという理由で電車に乗った。
ちょうど帰宅ラッシュ時だったので車内にはサラリーマンと部活終わりの女学生、
あとなぜかしらんが体育教師みたいなルックスでビールを飲んでいる角刈りもいた。
むろん私は彼らに何の関心もなく、左隣に立っている老人だけを眺めていた。
老人は釣りに行くときのようなファッションをしており、
帽子はキャスケット、半袖のシャツからは剛々毛々とした腕が伸びている。
まるでアマゾンであった。赤道上を走るマングローブであった。
幼少期はシベリアのタイガだったのかもしれないが、
仮に私がどこぞの蚊として迷い込んだら、瞬く間に窒息死してしまうに違いない。
そんなことを考えていると、
おもむろに老人がつり革を掴んでいる手を自分の顔の位置まで掲げ

「くいっ」

何かが動いた。人的作用が働いて確実に何かが動いた。
あまりに突然の出来事で、それが彼の力こぶだと理解するのに私は時間を要した。
その後も何度か老人は力こぶを「くいっ」「くいっ」と動かした。
というかそれはまさにボディビルダーのそれであった。
誰に見せるというわけでもない、見ているのは私一人だったし、
あのこってりしたローションも、「きれてまーす!」という声援を送る同士もなかった。
思えば彼の剛々毛々に気付いたときから私は漠然とした予感を感じ取っていた。
何かが起こる。この老人は今にきっと何かをしでかす。
そして実際に彼は何食わぬ顔で意のままに操られている筋肉に酔いしれている。
とにかく私の予感は的中した。
何のための剛々毛々なのかはともかく、臭い物は元から臭かったのだ。
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