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2005/04/23 (Sat) 13:49

料理をはじめた。

もちろん自発的に。きっかけは忘れた。
別に最近フットボールアワーの岩尾に似てきて、
彼に勝るとも劣らないものを模索中とかそういうことではない。
ただなんとなく。そういうお年頃なのだ。

物心ついて間もないころ、実家で生活している立場上、
他の家族と一緒に食卓を囲む時間に帰ることがわかっている日は
黙ってても自分の晩御飯が用意されていて、
当たり前のように出された味噌汁やたくあんを口に放り込んでいた。
だがしばらくして帰宅そのものがおろそかになりはじめると、
日がたつにつれ、当たり前だったはずのものが次々と姿を消した。
赤茶色の盆が消え、浅葱色の碗が消え、群青色の箸が消えた。
紅茶のありかはわかったのに、やかんに火がかからなかった。
途方に暮れ、日も暮れ、紆余曲折があり、時が流れた。
気付けば「ほら朝食も作れたもんね」と胸を張れるようになっていた。
胸張っていうことじゃないけど。昼食も夕食も作れるようになった。

おとついはハンバーグを焼いた。当然ベースからつくった。
牛乳たっぷりの、ふわふわのホットケーキミックスみたいな生地。
「だけどあまりおいしくない」
美容院でいつも散髪してくれてるお姉さんにそんな話をしたら、
「いいなあ料理か。あたしずぼらだからしないんですよ。
つくってもカレーぐらいだし。ハンバーグなんてもう全然。
もし今度来るときまでにうまくなってたら教えてね」といわれた。
マッハでいろいろ妄想した。

料理をはじめると、ちょっとだけだけどいいことがある。
生きる希望も湧く。もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対。

味の素の味を知り、
胡椒が本来肉の臭みを消すためのものだと知り、
米の研ぎ汁を捨てるのにちょうどいい塩梅の回数を知り、
炒め物を作るときフライパンに注ぐサラダ油の分量を知り、
テレビに出てる素人の女の子の肩書きが「家事手伝い」だったとき
ハングリーな若手芸人から「得意料理は何ですか?」と聞かれて
バツ悪そうに「…野菜炒め」という理由がわかりはじめて思ったのは、
「野菜炒めしか作れんでもうまけりゃ上等やろうが!」ということだ。
先日、暇つぶしに「こんな料理で男はまいる。」という本を読んだ。



『こんな料理で男はまいる。』(大竹まこと)

著者は大竹まこと。ザ・ワン・オブ・シティボーイズ。
かつて彼はバラエティできたろう、斉木しげると並んで
「大根の高速切り実演販売」なんていうコントを披露していたが、
現在もソロ活動の傍ら、毎年ゴールデンウィークになると
年中行事のように三人プラスαでシュールなライブを行っている。
一度だけ、友達に誘われてステージ上の彼を見たことがあった。
そのときは、たしかにコントそのものも面白かったのだが、
それ以上に他のメンバーが繰り出す予測不能のアドリブに
「おまえらバカだろ!」と照れくさそうに怒る姿にとても感動した。
なんてセンシティブなんだろう。
年上好きが愛しさを覚えるような繊細さ。
売れない時期、ヒモばかりやっていたからこそ培えた甘え方。
「naive」という言葉はボディソープより彼にお似合いだと思った。

そして大竹まことには、もうひとつの顔がある。料理上手だ。
「芸能界一キャベツの千切りが早い男」としても知られる彼は、
グッチやタモリや海千山千の主婦タレントと比べてどうかは知らんが、
とにかくキャベツを千切りにするのがべらぼうに早いのだそうだ。
しかも千切りに限らず、料理全般の作業において手際が良いらしい。
そんな彼が、自著の中でたしかこんな感じのことをいっていた。

「男の舌は実に保守的だ。気取ったものが好きではない。
というのも、男たちは社会に出ると定食屋でしか外食しない。
なぜか。それは、彼らが安心できる味を求めているからである。
仕事を終えて自宅に帰り、疲れきった体が欲しているのは、
『ほっ』と一息つけるような、昔懐かしい味だからなのだ。
だから女性は、意中の男を自分のものにしたいと思ったら、
得意料理をカレーやビーフシチューなどといってはいけない。
レシピ通りに調味料を加えたところで、洋食屋には勝てないからだ。
仮にレパートリーが乏しいのであれば、『野菜炒め』といってもいい。
野菜炒めは簡単に作れて、男の心も簡単につかみやすいから」

大竹まこと、男も参らす55歳。

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